はじめに
Arweaveプロジェクトは2017年にICOを行い(その際は「Archain」という名称でした)、以来継続的にコラムやリリースなど情報発信を続けてきています。
それらの情報の大部分が英語で発信されたものであるため、日本人に向け、少しずつ翻訳して紹介していきます(都合上、意訳を多く含みます。文末にリンクを張りますので可能なら原文も確認してみてください)。
分散型ウェブの構築について - パート1:問題点
2018年07月28日
これは、分散型の不変のウェブを構築するためのArweave組織の戦略を定義する一連のブログ記事の最初のものです。
この第1回目では、既存のウェブの問題点について説明し、後の記事では、当該問題点に対する私たちの解決策案を詳しく説明します。
この新しいタイプの分散型ウェブへの道のりは、ほぼ間違いなく、オリジナルのウェブと同様に驚きと混沌に満ちたものになるでしょう。
私たちがこのブログ記事で紹介するのは、あくまでも出発点に過ぎません。今日から最終的にこの新しいシステムが主流になるまでの間に、計画、コミュニティ、技術の活用が変化することは間違いないです。
Arweaveプロジェクトの中核をなす機関の役割は、この新しいシステムがどのように機能すべきか、あるいは人々がどのように使用すべきかを指示することではありません。私たちの仕事は、エコシステムの立ち上げに必要な触媒を提供し、一歩下がってコミュニティの要望をできる限りサポートし、手綱を握ってもらうことなのです。
というわけで、前置きはこのくらいにして。
問題点
インターネット上の権力は、少数の人々の手に集中し、しばしば大多数の人々の意に反して働いています。同時に、ウェブは私たちの生活の中心的存在となり、私たちの思考や意思決定の一部として統合されるようになったのです。
情報の自由な流れという壮大な実験として始まったものが、強力な少数派の行為者によってますます制御、監視、修正されるようになったのです。
その核となる問題は以下の通りです。
情報アクセスの変更可能性
今日入手できる情報が明日入手できるとは限りません。
かつて、ウェブで公開することは、その情報を永久に利用できるようにすることと同義でした。この考えは決して完全には正確ではありませんでしたが、時間の経過とともにそうではなくなってきています。
現代のウェブでは、コンテンツが失われ、検閲され、驚くべき速さで変更されています。HTTPステータスコード「404」が今や主流の語彙になったという事実は、この現象がいかに一般的であるかを物語っているのです。
出版とアイデアの自由な流れに対する管理
インターネット上の表現の自由は、今や少数の中央集権的な当事者によって媒介されています。
彼らが聞きたくないことを言えば、あなたのコンテンツが削除されることを期待してください。
ソーシャルネットワーク、ブログ、その他の出版機構がコンテンツに対して厳しいルールを課すことが多くなり、時には貴重な情報の検閲を引き起こすこともあるのです。
広範な監視
政府も企業も同様に、あなたのウェブ検索、あなたが読むコンテンツ、あなたが行う投稿を監視し、記録しています。ウェブがほとんどの人の脳の延長になっているという事実がなければ、これはおそらく重要なことではないでしょう。
企業は、あなたの内心に関するこのデータを広告主に売り、広告主はあなたが自社の製品を購入する可能性を高めるためにそれを利用します(これは本当に効果があります-Googleの時価総額を見ればわかります)。
政府はこのデータを大量に保存し、あなたの思考や心理を長期にわたって曖昧に記録していきます。多くの人々は現在の政府を信頼しており、その結果、この監視を懸念事項とは考えていません。
問題は、現在の政府がそのデータをどう扱うかではなく、将来の政府がそれをどう扱うかです。個人の内面的な考えや感情を信頼していない政府が、自分の国で政権をとることはないと、あなたは完全に確信していますか?
欧米諸国における最近の数多くの選挙は、最も民主的な国家でさえもその選択が予測不可能であることを示しています。
さて、次の記事では、次のウェブが取り組むべき問題のいくつかを特定し、このシステムを私たちのより広い文化に組み込むために必要な構成要素を説明する予定です。